FandSがなぜ設立に至ったか
創業者は、司法書士として(未)成年後見業務に多く携わっていました。
自身も早くに両親を亡くしたせいか、障害者(児)の"親亡き後の後見"というものに特に使命感を覚え、力を注いできましたが、後見人として可能な業務の限界に常に悩まされてきました。
また、おなじく司法書士業務として数多くの相続案件に携わっていく中で、農業の後継者不足に何度も直面し、どうにか出来ないものかと常に考えていました。
そこで、慢性的に不足していると言われる障害者向けのケアホーム・グループホームを立ち上げて生活面からも障害者をバックアップし、また、日常活動の場として、障害者とともに農業に携わることはできないだろうかと考えました。
幸いにも、創業者の考えに賛同してくれる仲間や、指導してくださる専業農家の方と出会うことが出来ました。そこで、千葉県八千代市にホームを建設し、平成22年11月に千葉県から事業所としての指定を受けました。
設立から現在まで
徐々に利用者が増えていく中で、ホームの一日の流れも確立してきました。
ホームのそばに小さな直売所を設けて、日中の農作業で作った野菜を近隣の方に販売しています。直売所を通して、利用者と近隣住民とのコミュニケーションも自然発生的にうまくいき、休日には、小さい子どもたちも遊びに来てくれます。クリスマス会や年越しのそば打ち大会などのイベント時などは、近隣の方が親子連れで遊びに来てくれるようになり、とても賑やかです。
また、我々もあくまで"ホーム=家"と考え、利用者だけでなくスタッフの出退勤の際も「行ってきます」「ただいま」という挨拶が定着し、「お疲れさまでした」といった普通の仕事場にありがちな挨拶などは使用しません。
今後について
第一段階として、我々が目指しているのは、自分たちで作ったものを自分たちで食し、利用者に農業の楽しさ、収穫の喜びなどを知ってもらうことです。一人ですべての作業をする必要もなく、障害の程度に合わせ、それぞれが出来ることを行っています。
第二段階として利用者の作業の習得具合いを見ながら、利用者を中心とした農業法人を立ち上げる予定です。自分たちが作ったものを販売して対価を得ることへの充実感を得つつ、自分たちが作ったものへの責任感なども自覚していけるように支援していきます。幸いにも近隣の方々が継続的に購入してくれています。今後は小口の販売に取り組んでいきます。
最終的には年金や公的な援助に頼り切ることなく、自立していくことを目指します。